[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
でももう2時だよ!明日も仕事だよ!orz
今回も本編は続きからだよー
-----------------------------------------------------------------------------------
「アテンションプリーズ♪
当機は、まもなく、ガーディアンズコロニーに到着致します。
着陸時にお揺れになりますので、シートベルトは外さず、そのままでお願いします」
フォトンの満ちた音無き空間・宇宙を進むシャトルの中で、そんなアナウンスが聞こえてくる。
目的地であるガーディアンズコロニーが近いのだろう。
そのアナウンスを聞き、本を読んでいた者、備え付けのモニタで映画を見ていた者、数人のグループで騒いでいる者、今まで寝ていた者、それぞれがスピーカーの方向に視線を向ける。
目的地が近づくことに期待を寄せる表情を浮かべるヒトや、やっと着いたという安堵の表情を浮かべるヒトたちが、にわかに騒ぎ出す。
・・・唯一この男を除いて
第二話
ガーディアンズコロニー殺人事件-事は深夜に引き起こる
「起きろソード、いつまで寝ているんだ。もうすぐコロニーに着くぞ」
アナウンスと騒ぎ出す乗客達の中、唯一寝続けていたソードの肩を、コウセイが揺らす。
それでもソードは起きようとしない、それどころかコウセイの手を除けようとさえする。
「むにゃむにゃ・・・もぅ食べられないよ、やめてよコルトバ・・・俺はオルアカの方が」
なんということだ、自分が必死に起こしてやっているというのに、起きるどころか食い物の夢を見ている。
さすがに多少苛ついたコウセイは、先ほどよりも激しく肩を掴み、左右だけでなく上下も含めてソードの揺らした。
軽い人間シェイクされ、さすがにソードも自分の睡眠を妨害するものに気づいたようだった。
ゆっくり目を開き、自分が今まで何をしていたかをうっすらと思い出そうとして、ハッと、何かに怯えるように覚醒し、周囲を見回す。
「・・・ライアにアイアンクローされて、宙に浮かされた上で上下左右にブンブン振り回される夢を見た」
「それは良かったな、立派なトラウマだ。ライアさんと真っ向から戦って打ち勝つことが最高の治療法だと思うがどうだ?」
「なんか棘があるなその言い方・・・テクニックやだまし討ちならともかく正面からぶつかってライアに勝てるかよ」
と、ソードがぼやいたところで、シャトルが開かれたコロニーの発着口に進入し、滑走路に着地する。
多少の揺れを感じはしたものの、すぐに減速が始まり、瞬く間に速度を落としてシャトルが停止する。
「長らくのご搭乗お疲れ様でした。
ガーディアンズコロニーに到着いたしました。
これより、出場ゲートへの通路と連結を開始致しますので、今しばらくお待ちください・・・」
到着の知らせを聞き、ソードとコウセイは立ち上がる。すぐに出られる訳ではないが、座り続けるのはさすがに辛いものである。
だが、立ち上がり、伸びをしようとした所で、ソードが首をしきりに気にする仕草を見せる。
「どうした、ソード。首なんか気にして」
「いや、寝すぎて首が痛くなっちまってな」
「シャトル発進と同時にコルトバサンド平らげて速攻で寝付いたらそうなるだろうよ。
結局最後まで起きなかったしな」
パルムからコロニーまでの行程の9割を寝続けたソードに、コウセイは呆れて先に通路に出ようとするが、今度はコウセイが腰を軽く叩き始める。
「なんだ、お前は腰じゃないか。年だな、コウセイ」
「年も何も同い年だろうが。延々寝てたお前と違って俺は報告書を纏めていたからな」
面白がる表情で腰を痛める青年をからかうソードに、憮然とした表情をしながらも、コウセイはあえてそれ以上突っかからずに、小型の電子辞書を差し出す。
どうやらこれがシャトルの中で纏めていた報告書らしい。
「年の俺は体を動かすより事務仕事の方が良いんでな、連名にしてやってるから、さっさとお前のライセンス認証をしろ、三年寝太郎」
「お、サンキュ。三年寝太郎ってのは聞こえなかったことにして、いつも悪いな。またセントラルテーブルの所のスパイシアセットでいいか?」
「あれは俺には辛すぎた。ニューデイズセットAにダンゴモチ、ナガラキシロップも付けろ」
先ほどの面白がる楽しさとは別の、楽ができることが嬉しいといった表情を浮かべ、ソードは、コウセイから受け取った電子辞書にガーディアンズライセンスを認証させる。
これでコウセイとソード双方の署名が入り、二人一緒の報告書として本部に受理されるのである。
通常、ガーディアン同士でチームを組んでいる場合でも、報告書は個別で出すのだが、ソードがミッションや行動の内容を文書に纏めるのを嫌がるので、仕方なしにコウセイが作成し、二人の連名で提出しているのである。
そして、その代償にソードは報告書提出の度にコウセイに昼食を奢っているというわけだ。
「さて、本部への提出は任せた。俺は実家に帰るわ」
「そこまで俺にやらせるのか・・・パルムティーセットも付けろ」
報告書を書いてもらっておきながらそこまでコウセイに丸投げし、ソードはようやく扉の開いたシャトルの出口へと一人すたすたと歩いて行く。
全く、勝手な奴だ・・・そう思いながらも研修時代から5年の腐れ縁。
コウセイはもぅ慣れた、といわんばかりの呆れとも諦めとも取れる苦い表情を浮かべ、シャトルの出口へと向かう。
----------------------------------------------------------------
コロニーの中心地であるクライズシティからリニアラインに乗り、30分程行った所にある居住区画。
その町の一角に、ソードの実家はあった。
近所のおばさん達とすれ違い様に軽い挨拶をしながら、子供の頃から慣れ親しんだ家の扉を開く。当然自動ドアだが
「ただいまー。母さん、いきなりで悪いけどシャワー空いてる?パルムから直接帰ってきたから汗臭くてかなわん」
「あら、ソード。やっと帰ってきたのね。今リノクが使ってるわよ」
靴を脱いで家に上がったソードを出迎えたのは、ソードと同じく緑の髪を持つ妙齢の女性。
ソードの母である。
見た目は成人男性の息子を持つとは思えない皺の少ない顔立ちをしているが、ソードはそれが肌年齢とケアを大事にしてきた努力の証であることを知っている・・・女性はそういうものに気を使うものであろうが。
シャワーを使われているのなら仕方が無いと、ソードはリビングに行き、ソファーに座ってテレビを点ける。
このところ総裁が暗殺されかけたり、「とある有名ガーディアン」がグラール教団の幻視の巫女誘拐未遂で指名手配されたりと、ガーディアンズにとってはあまりめでたく無いニュースが続いている。
今日のテレビも「とある有名ガーディアン」による幻視の巫女誘拐未遂事件について、数人の「有識人」達が下世話な勘ぐりや。ガーディアンズの今後を大した根拠も無く予想していたり・・・
余計なお世話だとソードは思う。個人の一大スキャンダル一つで、よくもここまで邪推が出来るものだと感心すらする。
誘拐未遂の一件のおかげで、グラール教の一部の信者からは怪訝な目をされるようになったが、
自分は「とあるガーディアン」ではない。
とはいえ、落ちた信頼は実績によってしか回復させる事は出来ない、と考えるソードとしては、今のこの風潮を自分への渇を入れる機会だと捉えていた。他人の尻拭いをさせられる、というのは気に食わないが。
と、そこまで考えたところで、後ろから頭を叩かれる。
「いてっ、誰だよまったく」
誰だよ、といいつつも既に誰がやったか見当のついているソードは、頭に乗せられたままの凶器-ハリセン-を手で除けながら後ろを振り返る。
「おかえり、兄さん。間に合ってよかったわ。でも連絡くらいしてよ」
「そういえば連絡はしてなかったな・・・ずっとシャトルで寝てたから。悪いなリノク」
ソードの後ろに立ち、ハリセンを振り下ろしたのは、赤いニューデイズ式の部屋着、ミヤビカタに身を包んだ髪の長い少女。
妹のリノクである。
「さて、じゃあ俺はシャワー浴びてくるかな。お前は俺が座っていたテレビ前の特等席を独占するが良い」
「あはは、そんなことしないわよ。今日はおめでたい日なんだから、母さんと二人でご馳走作るのよ。ところで、何のニュース見てたの?」
「こないだの巫女誘拐未遂事件のニュースだよ。
どこかのガーディアンが馬鹿なことやったお陰でガーディアンズの信用がた落ちさ。お前は違うけど、信者の中にはガーディアンズ自体不信感持つヒトまで出始めてな・・・」
そこまで言って、後は続けずソードは風呂場へと向かう。
料理なぞマシナリーにやらせれば良いとソードは思うのだが、母は大事な席では必ず自分で食事の用意をする。ニューマン特有の家族意識の強さゆえであろうか?
テレビを消し、母の手伝いに行こうとする妹を見ながら、ソードは安堵する。
太陽系全土で10億の信者を持つグラール教の信者全員に睨まれるのは正直ゾっとする。
だが身内とはいえ、そういう目で見ない人がいることを知っているというのは救いである・・・
------------------------------------------------------------------
父の祝いの席は恙無く終了した。
最初は現場から離れるのを渋ってはいたものの、家族に祝われて多少いい気になったのか、妻と娘が作った手料理を平らげ、息子が酌をする酒を楽しみ、あっという間に満足して酔いつぶれてしまったのである。
その後リビングでテレビでも見ようとしたソードは、ふと壁にかけられている時計を眺める。
「まだこんな時間か・・・まだ間に合うかな。
リノク、ちょっとクライズシティの方に行って来る。遅くなるようなら宿舎に泊まるから、母さんに伝えておいてくれ」
「えー、もう行っちゃうの?久しぶりに帰ってきたんだからくつろいでいけばいいのに」
「悪いな、人に会う約束があるんだよ」
「誰々?彼女?次のダイヤまで後10分無いわよ」
「そんな相手いるかよ。じゃ、行ってくる」
ソードとて元々実家に泊まるつもりだったが、なるだけ早く履行しなければならない約束であったため、余裕がありそうだと見るや早速家を出て、リニアラインのホームへと走り出す。ここからだと歩いて15分かかる。走らなければ。
クライズシティの1F、巨大な噴水が置かれ、人々の憩いの場となっているセントラル・テーブルから少し離れた区画に、ガーディアンズに支給される宿舎の建物郡が有る。
一棟に約250の部屋を持ち、居住者が各々の部屋を好き勝手に改装し、個人で商店を開いている所もある。
その自由奔放さから、宿舎とは呼ばれず、個人の自由空間として、一般的に「マイルーム」と呼ばれる。
そのマイルームが密集する建物の、とある部屋の前にソードは立っていた。
住人が中々出てこないのか、外につけられている呼び鈴のボタンを忙しなく叩き続ける。
近所迷惑かと思うだろうが、マイルームは防音もしっかりしたもので、呼び鈴を押してもその部屋の住人にしか音は聞こえないのだ。
「おーい、翠泉!同期で機動警備部のソードが来てやったぞー!!」
・・・とはいっても、部屋の外から大声で呼ばれれば近所迷惑である。部屋の中には殆ど届いていない筈だが。
ともあれ、ソードのしぶとい攻勢に、住人が折れたのか、それともようやく気づいたのか、マイルームの扉が開かれる。
中から現れたのは、赤い髪をした、そこそこ背の高い若い、パジャマ姿の女性ニューマンである。
「ソード・・・私もぅ寝てたんだけど。それにさっきのは機動警備部からコロニーで事務に移された私への当てつけ?」
「まあそういうなよ翠泉。前にお前が頼んでたウラヌサラの合成、終わったから持ってきたんだよ。急なパルム任務で渡す暇が無かったからな、急いできたんだぜ」
「本当!?キャー、嬉しい!!嬉しいついでに朗報よ、私今度機動警備部に戻ることになったの!」
翠泉と呼ばれた女性ニューマンは、眠気の抜けきらない気だるげな顔から一転し、感激といった表情に一瞬にして転化する。
頼んでおいた物が出来たという思いと、望んだ部署に移ることになった嬉しさと相まって、先ほどまで寝ていたとは思えぬテンションでまくし立てる。
「お、落ち着けよ翠泉。
ひとまずおめでとう。それで、どんな脅しを使ったんだよ」
「失礼ね、脅しなんか使わないわよ人聞きの悪い。
毎日弱気の上司とすれ違いざまに「機動警備部は良かったわぁ・・・あの頃に戻れないのかしら」って囁いてただけよ。
しばらくしたら避けるようになったから毎日毎日傍によって希望し続けた甲斐があったわぁ・・・」
「お前・・・それは脅迫もしくは嫌がらせって言うんだぞ。
それはともかく、ウラヌサラ、だったな。今取り出すから待ってろ。そうだな・・・少し目を閉じていろ」
嬉しそうに語る栄転テクニックに若干引きつつも、その話を終わらせるために、ソードはナノトランサーに手を伸ばし、物を取り出そうとする。
翠泉は目を閉じて期待に身を震わせてうずうずしていたが、アイテムを取り出すほんの僅かの間の後、ソードから開けても良いと声をかけられ、カっと目を見開いた。
そこには、彼女が必死の思いで基板を手に入れ、コロニーではあまり出回らない高級素材を集めた末に出来上がった最高級のフォース用短杖の姿が・・・
無かった
目を開いた翠泉の前に広がっていたのは、ガラスケースに入れられた、髪が伸びる人形。「オキク・ドール」である。
そのガラスケースの横には、実に申し訳なさそうな顔をしたソードが立っていた。
「悪い、翠泉。8割で成功するはずだったんだけど・・・失敗しちまった」
これまでに無いほどバツが悪そうな顔をして、歯切れ悪く失敗したと伝えるソード。
翠泉は余程ショックなのか、目を大きく開いたまま、直立不動でプルプルしていたが、やがて首をガックリと落とした。
「ま、まぁ、確かに渡したぜ。俺はこれでかえ・・・」
「ソード」
翠泉の部屋に背を向け、そそくさと帰ろうとしたソードは、突如地の底から響いてくる冷たい声で呼ばれ、ビクリと背を振るわせる。
誰の声かと思い、左右を見渡すが誰もいない。そこでようやく、ソードはその冷たい声が自分の背後・・・翠泉から聞こえてきたのだと悟る。
「ねぇ、ソード?私がコロニーで事務という、自力で基板を手に入れる方法が無い事知ってるわよね?
知らないはずないわよねぇ・・・異動になたの1年半も前ですもの」
「あ、あぁ・・・何でいきなり異動になったのか、驚いた、もの、だぜ・・・」
「私がいつ機動警備部に戻れてもいいように、ウラヌサラの基板を手に入れ、コロニーじゃ殆ど出回らない高級素材を手に入れ・・・あなたなら信用出来ると思って頼んだのに」
そこで翠泉は、髪を結わえていたリボンの装飾部分に手を伸ばし、思い切り引っ張った。
引っ張られたことでリボンが解け、本人自慢の赤い髪がハラリと広がる。
ソードは、「鬼」を見た、と思った・・・
翠泉がリボンの装飾部を持ち、一振りすると、空を切る音と共に、リボンの布地の周りにフォトンが展開される。
髪を結わえていたリボンは、一瞬にして光波鞭となり、翠泉の右手に収まる。
装飾部も微妙に変形し、持ちやすい形になっている。
その鞭が何を行うかなど、誰に目にも明らか、もはや明白であった・・・
「す、翠泉、落ち着こう、な・・・」
「私のお財布の痛みを、悲しみを思い知れー!」
ギャアアアアアアアアアア!!
---------------------------------------------------------------------------------------------
翌朝、クライズシティ・セントラルテーブルの噴水前に、一人のニューマン男性が倒れているのを発見された。
全身を鋭い何かで打ち付けられ、至るところに裂傷が走っていた。
最初は殺人事件だという話が発見者たちの間で広がったが、幸いにも病院へ搬送中に意識を取り戻したらしい。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
書き終わったーもう2時かorz
色々話は考えているんだけど、本編の方がどんどん進んでいってて俺完璧時代遅れw
になりつつある(´・ω・`)
ま、続けるけどね!
06 | 2025/07 | 08 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
生粋のニューマンスキー・ソードのプレイ日記とか生日記とか小説とかつらつら乗っけてます(`・ω・´)