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もっとね、質を保ちつつグダグダになっちゃいけないと思うのよね、うん・・・
MAG絡みでネタが溜まっているのに・・・
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いつものように多くの人で賑わう、
セントラル・テーブルのカフェテラスエリア。
その片隅にある、セントラル・テーブル全体の華やかな雰囲気とは若干趣の違う建物。
濃厚なコルトバスープが自慢!
「ラーメン・三惑星天下ック」
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ズルズルズル・・・
様々な人々が集まり、途切れることの無い喧騒を生み出すセントラル・テーブルにあって、
店内は外とは全く異なる空気を持っていた。
この店内にいるもの誰もが、出されたラーメンを食すことにに夢中になっているのである。
そこには、食事中の私語が許されない、という暗黙の了解があった。
店内には、食べ終えた者達のわずかな声以外には、麺を、スープをすする音しかしていない・・・
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第6話 事務の女性達って
他人の噂話とかにやたら詳しいイメージあるよね
「・・・ふぅ、やはりここのラーメンはいつ来ても最高だ、親父さん」
カウンターに座り、コルトバラーメンをスープまで平らげたコウセイは、年かさのビーストの店主へ賛辞を送る。
「・・・ふぅ。たまに無性に食べたくなるんだよな、ここ」
コウセイに遅れてラーメンを食べ終えたソードが、満足げに一息つく。
が、すぐに顔をしかめ、胸に手をやる。
「大丈夫か?やはり報告書の提出は連名にしておいて、休んでおいた方が」
「いいって、たまには自分で出さないとな。
それに明日病院で傷を消せば、これともおさらばさ。この後は自由行動でいいよな」
そういってカウンターにメセタを置き、さっさと店を出るソード。
置いていかれた形になったコウセイは、いつも通りの相棒の自分勝手さにため息をつくだけだった。
「しかしどういう風の吹き回しだ?いつも報告書作りを面倒くさがっていたソードが、今回に限って?」
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クライズシティ5F・ガーディアンズ本部
「はい、ガーディアンズ・ライセンスを認証しました。
珍しいですね、ソードさんが自分から報告書出しに来るなんて」
「うるせっ、俺だって自分で書く時くらいあるんだよ」
ソードは、午前中に書き上げた報告書を提出にやってきたのだった。
普段の不精をミーナに突かれ、多少ばつが悪そうに手持ちのペットボトルから水を飲む。
そこでふと思い出したように、ソードは辺りを見回す。
「ところで・・・翠泉はまだ来ちゃいないだろうな・・・?」
「翠泉さん?お昼には来ていないですけど。
お姫様の様子が気になりますか?」
「ブフゥッ!!」
「お姫様」
その言葉が聞こえた瞬間にソードは盛大に水を吹き出した。
「誰がお姫様だって?
どう考えても女王様とかそこら辺だろ、翠泉は」
「え~?だって翠泉さんの前に颯爽と立ちはだかって凶刃から庇ったそうじゃないですか。
お姫様とそれを守るナイト?なんちゃって」
ニヤけて喋るミーナを前に、ソードは脱力して膝を折り、カウンターにもたれ掛かっていた。
そして珍しく自分から報告書を作ったというのに、
当初の目的が達成できなくなってしまったことを悟ったのだった・・・
「な、なんでそのこと・・・コウセイには口止めするように・・・」
「アビューズ、肉、しゃちの3名からも同様の報告書が来ていますしね。
コウセイさんも午前中に提出なされましたよ?」
ミーナの横の受付嬢からも追い討ちをかけられ、更にカウンターに垂れるソード。
立ち上がって見てみれば、4隅にそれぞれ居る受付嬢みんな揃ってソードを見て、ニヤニヤしているのが隠しきれていない。
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そうなのだ、本部なので支部より忙しさは上とはいえ、受付業務には暇な時もある。
そういう空いた時間に、噂好きな女性達は、話のネタとして、ガーディアンズ間の噂話なんかをどこからか仕入れて来て話の花を咲かすのである。
誰々が実はデキているだの、既婚者ガーディアンズのどこどこさんがこないだ依頼人の未亡人とあーだこーだ、その内容は千差万別で真偽も定かではないものが大半なのだが、そういう噂話の中に、どういう訳かソードも含まれているのである。
曰く・・・
「ソードと翠泉は訓練校時代からデキている」だの
「ソードとコウセイは実は『ウホッ』」だの
「先日の死体(ソード)遺棄事件は激しいプレイの末」だの・・・
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「あの三人がいたか・・・にしてもコウセイの野郎、伏せてくれって頼んだのによ・・・」
「あら、翠泉さんも午前中には提出されてますよ?ソードさんが一番最後ですね」
止めを刺されてソードはその場で足からコケる。
「な~んでそんなに嫌がるんですか?
女の子庇って傷を負う、だなんてカッコイイじゃないですか。ハードボイルドドラマみたいで」
「お前ら、人が生きるか死ぬかの現場で仕事してるってのにそんなゴシップばっかり・・・
言っとくがアイツとデキてるなんて事実無根もいいとこだぞ」
「でもでも、朝に翠泉さんの部屋から出て行くのを見たっていう目撃証言が・・・」
「アレはアイツのドS武勇伝聞かされてんだよ。
大体俺はもっとボインの方がタイプなんだよ、あんな貧にゅ」
「誰が何だって?」
噂話の否定に熱を上げて語るソードの背後から冷たい風が吹いて来る。
背筋をビクリと震わせ、恐る恐る振り向いたそこには、目を細めてソードを睨む翠泉が立っていた。
「ミーナ、もうライセンスの更新は終わった?」
「えぇ、先ほど完了しています。
これで晴れて、機動警備部に復帰ですね。
おめでとうございます」
といって、ソードを押しのけた翠泉はミーナから更新されたガーディアンズ・ライセンスを受け取る。
前回のミッション自体が試験の一種で、あの時点ではライセンスは仮更新に過ぎなかったのである。
「ソード、虚偽の報告をするなんて、いただけないわね。
ちゃんと『本当の事』を書かなきゃ」
「嘘を書いちゃいねぇ。ただ書かないだけだ。
『翠泉庇って敵に斬られました』なんてこっ恥ずかしいこと書けるかよ」
「何よ、ホントの事じゃないの。
それに、私が書かなくても他の誰かが書いてるわよ」
「んなっ・・・」
正論を突き付けられてソードが言葉に詰まる。
「・・・そのせいで、さっきからミーナにからかわれてんだよ。
どうしてくれんだ!」
「見てる私は面白いからどうもしないわよ?」
「テメェッ、それを楽しんでやがるのか!
俺とお前がデキてる、なんて言われて話の種にされて鬱陶しくないのかよ!」
「不愉快に決まってるでしょ。
でも噂でしょ?75日すれば無くなるわよ、そんなの」
「嫌なんだよ、こういう根も葉もない噂の標的になるの」
こういう噂にされるのを極端に嫌がるソードに対して、翠泉は冷静そのものである。
ただのゴシップで、そのうち廃れるだろうと割り切っている。
「あー、もぅ。
大体あれはお前がちゃんとしてないから」
「だからパートナーのあなたが庇ってくれたんでしょ?」
「そうだけど・・・にしたってな、そのせいでまだ背中が痛むんだよ。
お前の貧相な胸が衝撃吸収してくれなかったせいで・・・」
話を逸らそうと難癖つけ始めたソードだが、すぐに余計なことをした、と悟る。
ソードの目には、翠泉の背後から、突如青い炎が立ち上ったように見えた。
次の瞬間には、右手にダガーを持ち、ソードの懐に瞬間移動と思える速度で移動していた。
「死ねっ!!」
ヒュンッ!
超至近距離から首元へ繰り出された刃を、ソードはすんでのところで避けた。
「タ、タンマ!今の明らかに首を狙ってただろ!
死ぬよ!?せっかく治したのに今度こそ死ぬよ!?」
なんとか距離を取ろうと後ずさるソードをじわじわと追うように、すり足で距離を詰めて行く翠泉。
見た目は少し目を細めた柔和な笑顔だが、子供ですら近づかないであろうオーラを放っている。
その凶悪な空気は、例え飛来中のSEEDであろうと方向を逸らすであろう。
「あら、そしたら今度はちょっと取れちゃった首を焼いてくっつけようかしら?」
静かな声で言うがはっきり言って内容は静かとは縁もゆかりも無いようなバイオレンスさである。
「お、俺実家に忘れ物あるんだった!」
翠泉が喋り終わって息を吸う僅かな隙を突き、ソードは脱兎の如く逃げ出した!
「・・・なんだ、もう逃げちゃった。つまんないの」
「冗談に聞こえなかったからじゃないでしょうか・・・」
逃げたソードを追うこともせず、必死に出口へ走ってゆく背中に嘲笑一息、翠泉はダガーをしまう。
「ところで、噂話なんてそんなに色々あるものなの?」
ちょっと気になった、といった風に、引きつった笑顔のミーナに問いかける。
他の4隅に座る受付嬢は、正面に視線を戻して、翠泉の方を見ようとはしていなかった。
「そうですね・・・最近聞いた斬新な噂ですと・・・
アビューズさん達のチームは、アビューズさんがしゃちさんを、しゃちさんが肉さんを、そして肉さんがアビューズさんをそれぞれ好きな、【完璧な三角関係-パーフェクト・トライアングル-】だっていうのがありますよ」
「・・・」
ミーナはこれ以上無いくらい楽しそうに言うが、まともに聞いた翠泉は軽い眩暈すら感じていた。
あまりにも滑稽過ぎる、というのが全てなのだが・・・
「受付業務って娯楽少ないのね・・・まぁ、いいわ。
大体当てにならないっていうのは良く分かったから。
今日は帰るわ。また任務の時はよろしくね」
「星霊の導きがありますように!」
やれやれ、と言った様子で翠泉も本部出口へと歩き出す。
コロニーはかくも平和であった・・・
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同時刻・・・
「ぶぇっくしょいっ!ックソー、どこかの美女が俺の噂してるぜ」
「風邪でしょ?その素敵な変換の掛かる脳みそは羨ましいわね」
「風邪か、それはいかん。
俺が暖めてやるから、とりあえずケツを出せ」
「誰が出すか!悪化するだろうが!」
「ネギを刺したら風邪に効くって言うわね・・・」
「よし、まずはネギを買いに行こうではないか」
「嫌じゃボケーッ!!」
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今回は特に何かあるわけでもなくただのほのぼの系(?)日常エピソードでした。
コルトバヌードルなんてあるくらいだし、突き詰めていけば麺類はやはりグラールでも普及した食物なのかもしれん・・・
受付嬢が噂話に詳しいってのは完璧俺の主観なんでリアル受付業務の方ごめんなさいw
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生粋のニューマンスキー・ソードのプレイ日記とか生日記とか小説とかつらつら乗っけてます(`・ω・´)